福島県道小名浜四倉線の被災状況‥

同県道は、市内でも「最も海岸線に近い位置を通る道」です。
特に新舞子浜の松林の中を通る区間
100km/hで走行する老婆のお化けが追いかけて来る噂があったりと
市民に親しまれてる道ですが(笑)
現在100km/hも出したら自分が地縛霊と化しそうな道路状況です。
その道の中で夏井川河口付近を渡る付近は、未だに通行止めが続いています。

地震から、そろそろ3ヶ月も経ち、同県道の沿線の豊間や薄磯等の地区は
津波で流された家屋の瓦礫で道路が塞がれたり地震地盤沈下での道路のひび割れや陥没、
橋の袂の段差等で通行止めだった場所は
 
応急とは言え、かなり早期に通行が出来る状態に復帰したのですが、
夏井川の河口付近だけは3ヶ月経た現在でも通行止めが続いています。
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橋が落ちてる訳ではないのは震災直後の3/18日に確認済みです。(↑この画像は2011年3月18日に撮影)

袂の段差だけならば、交通需要を考えても、復旧させるはずなのに‥
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震災前の2004年6月に同じ場所から撮影した画像。本来は車が絶えず通行してる様な交通量の多い道です。
一体何があるんだろう?と思い調査に行ってきました。

場所は↓この辺り付近と、地図の上側の川の河口付近です。

詳しい地図で見る

さて、報告は「テンコモリ」なので、さっさと画像を出して話を進めます。
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以後「北側」を四倉側として、「南側」を小名浜側とします‥って言うか
四倉側は目に見えて被害が無いので今回画像はありません。

画像を見ると道路にひび割れが見えますが‥こんな事を言っては何ですが
この程度なら通行止めになってない道は震災後到る所にありますから、これが原因ではありません。

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橋の袂は地震後ではお約束の状態です‥が、
これより凄い段差を応急処置して通行出来る様にしてる場所は幾らでもありますから、大した事はありません。
…って言い方は、すでに免疫付き過ぎかも。笑

ただ、本当にそれくらい「橋があったら段があると思え」が震災後の常識であり
今は橋と言う橋の袂の殆どが補修跡だらけなので、
直してないとは言え、震災前の様な、補修跡のない舗装が珍しく見える‥ってのも悲しいなぁ。

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一応直すつもりで下見には来てるらしく、何か書いてありますね。
ちなみに地震が起こる1時間前に、この道を通行してます。

通ってる時に、あの地震が起きたら‥車を諦めて、自宅がある5km離れた四倉まで
この海岸通りの県道を徒歩で歩ってたと思われます。

人間の歩行速度、大人男性で時速3~4km
家まで5km=一時間半前後‥徒歩で情報皆無=車だけ残って津波に飲まれてましたね。
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橋を見た感じ、路面に砂が全く無いので、橋までは波は来なかった模様。
って~か橋の右側が海岸なんですが‥

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以前から、河口に砂が詰まり、塞がってしまうので問題になってましたが‥
1番上の最初の画像(の橋の奥が海)が、津波の数日後ですが、
津波により砂が無くなり綺麗な河口になってるのが分かると思いますが‥
(橋を越えてまで波立ってるのが分かる)

見事3ヶ月で、ま~た砂が詰まった。自然には人間は逆らえんよね。ホント。

と言う事で橋自体には損傷は少なく渡るのが危険だから通行止めでは無さそう。
(まぁ、でも、この橋、上の路面と欄干を更新したから新しく見えるだけで結構古いのは古いです。)
反対側の四倉側の問題でもなさそうです。

じゃ何で通行止めが続いてるか?というと橋の先‥
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上の地図で、ちょうど赤の十字が示してる辺りが、エライ事になってました。
画像は、そのエライ事の「ちょっと手前」ですが‥道路際にあった標識が、あんな場所に‥
あと、松以外の木が潮を被って枯れてしまってます。
松も数本枯れてますが‥でも松はホント塩害には強い植物ですよね。

じゃ、そろそろ「エライ事になってる区間の画像」
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この崩れてる側って、海側に思うかもしれませんが、最後の画像を除き
私は北側から南側に歩ってる(四倉から小名浜に向けて)って事になります。

つまり陸側が崩れ落ちてる‥これ、現地で非常に不思議に思ったんですが
ここ、年中通行してて意識もしなかったんですが、海と川に挟まれてる区間なのを
今回初めてしりました。
以前は相当な交通量でしたが、当たり前ですが現在は交通量が皆無で
鳥の声と波の音しか聞こえず、皮肉にも本来の姿に今気付きました。
(例によって動画中の時間は狂ってまして明日の日付になってます。時間も合ってません。)

震災前(去年の9月)に通行した時の模様。
今回、記事に挙げた部分はyoutubeの再生時間で0:49付近の交差点からです。
逆方向の北へ向かってますので、今回崩れてる車線側を走行してる事になります。



ここの海側は、小高い砂浜と松林に阻まれ津波の直接波は、かなり和らいだのですが
(上の砂が溜まった河口を見て分かる通り非常に砂が堆積しやすい海岸なので)
道路の反対側を流れる川に津波が逆流して道路を壊してしまった様です。

さすがに‥これの復旧は大変で‥この区間は「しばらく通行止め」となってしまったのでしょう。



いわき市の舞子浜は、防潮林が、かなり長い距離で植樹されていて、人が住んでる地区は松林の奥になります。
岩手や、宮城、同じ福島県の相馬・原町地区よりも被害が少ないのは、この松林のお陰だと思います。

津波その物の威力は、その1部の海に接してる市内の町が壊滅してるので同じだったとは思うのですが
松葉林があった地区は、家屋や田畑の損害が比較的少なくて済んでいます。

原発騒ぎでかき消されてしまいましたが、
本来なら「この松林が人々や家の全壊を救った」と、大ニュースになってたかもしれない事実ですね。